にゃかがわの雑記帳

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我々は東京から逃れることができるか(いや、できない)

 もう遠い昔の話になってしまった感じもするが、新型コロナウイルスの流行と、それに伴う諸々の労働環境の変化で、「テレワークで東京一極集中解消」みたいな声が沢山出ていたのが今から数ヶ月前のお話。

 

mainichi.jp

 

 

 あれから数ヶ月が経ったが、「脱東京」はどうなったか。今もなお東京では毎日100~200人前後の新規患者が発生しているものの、時短勤務は終焉を迎え、ガラガラだった通勤電車の乗客は回復し、Go Toトラベルで観光客がわんさかやって来る。確かに一部業界でテレワークは増えたものの、公務員のテレワーク率は15.9%だし、政府による具体的な一極集中解消策の検討すら始まっていないところから考えても、どうやら今回も「脱東京」は夢物語で終わりと言った所だろうか(バブル期の首都移転計画以来2回目)。

 と、まぁ堅苦しい話はこの辺にして…

 

 

 ところで、首都圏のみんな、

 本当に東京から離れたいかい?

 

 

 正直、「明日から完全テレワークだから出勤不要だし好きな所に住んでいいぞ」って言われたとして、じゃあ首都圏から離れようって思う?思わないでしょ。そりゃあ出勤が不要になるからわざわざ家賃の高い都心部に住んでいる人は郊外に移動するかもしれない。でも、東京から完全に切り離された場所に移り住もうと思う人ってそんなにいるかぁ? まぁ、自分が「家と職場とイオンの無限ループに嫌気が差して東京に来た人間」だから多少バイアスが掛かっているのは認めるけれどさ。

 「地方へ移住」って、言うのは簡単だけど、いざ実行に移すとなると相当な覚悟がいると思うんだ。今までの魅力的で利便性溢れる都会の生活をかなぐり捨てて移住する覚悟があるかどうか。その覚悟がある人はコロナ以前に仕事見つけてとっくの昔に出ていっているだろうし、実際の所、みんな「わたし以外の誰かが東京から離れて、人口密度が低くなったらいいな…」とか考えてるんじゃないの?(僕は考えてます)。  

 

 

 

 

 正直、今回僕が言いたいことは数年前のツイートを引っ張ってくるだけで終わっちゃうんだけど、 コロナ絡みのアレコレを経て、より一層「大多数の人は東京から離れることができない」という考えが強くなった。『魅力的なコンテンツやカルチャーは人と人の直接的な交流からしか生まれない。』なんてかなり過激な物言いだと思われるかもしなないけれど、そこまで間違っているとも思っていない。

 この数ヶ月間、インターネットを用いた様々なイベントがそこら中であって、特に大勢の人々によるリモート演奏会は確かに感動的な出来事ではあったけど、実際に見てみるとみんな最後には「今度は生で聴きたい」とか「次はホールでやろうね」とか言ってた訳なんですよ。つまり、お互いが直に会ってコミュニケーションを取ることが最も理想的とされているのであって、現在のインターネットにそれをそっくりそのまま代替するだけの機能は無い訳だ。もちろんVRやARもその域に達していない。嗅覚や触覚はおろか、視覚さえもリアルを再現できていない。

 

 じゃあ一体どこで「直に会ってコミュニケーション」するのか。そりゃあ東京でしょうよ。

 

 東京が現代文化の集積地として最も歴史があり、最も効率が良くて、最も多様化がなされている。そして、最も文化の媒介となる人間の数が多い。

 このまま人間が全国各地に散らばって、そこで「生演奏会」ができるかどうか?できないよね。だからみんな憧れて東京までやって来たんでしょ?別に音楽に限らずとも、様々な文化に身を投じるために。今では見る影も無いニコニコ動画も、かつてはネット発の新しい文化を生み出したとか言われてたけど、結局最後はどこにやって来た?原宿と池袋と幕張じゃん。インターネットでは完結できなかったじゃん。そういうことよ。

 

 誤解の無い様に言っておくと、別に地方に文化が無いとかそういう話じゃないからね。ただ、東京に憧れる人をこれからも東京は日本中から吸い続ける。それだけの話だよ。海の底に沈んだりしない限り。

  そして、万が一「脱東京」が成功したならば、数十年後にこの日記を思い出して笑ってくれ。

 

 

・おまけ

 「テレワークで東京一極集中解消」は非現実的だとしても、郊外に転居する人は結構多そうだよね。そんなあなたに八王子、おすすめですよ。いざという時も会社に駆けつけられる距離だし。これからは郊外の時代!(になるといいな)

nyakagawa.hatenablog.com